生年月日：1991年7月10日
出身地：千葉県市川市
職業：女優
所属事務所：太田プロダクション

代表作
テレビドラマ
あさきゆめみし 八百屋お七異聞（2013年NHK）お七 役
ど根性ガエル（2015年日本テレビ）京子 役
毒島ゆり子のせきらら日記（2016年TBS）毒島ゆり子 役
片想いの敵（2017年フジテレビ）小出未亜 役

映画
素敵なダイナマイトスキャンダル（2018年東京テアトル）末井牧子 役
のみとり侍（2018年東宝）おちえ 役
食べる女（2018年東映）白子多実子 役
マスカレードホテル（2019年東宝）高山佳子 役
町田くんの世界（2019年ワーナーブラザース）栄りら 役

「AKB48 オープニングメンバーオーディション」に合格し、2005年からAKB48のアイドルとして活動することになった前田敦子さん。ショートヘアが似合うボーイッシュなアイドルだと話題になり、アイドル活動と並行して女優業にも進出しました。

アイドル時代に「栞と紙魚子の怪奇事件簿」「花ざかりの君たちへ イケメンパラダイス2011」などのテレビドラマで主演を務め、映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーのマネジメントを読んだら」においてもヒロインに抜擢。CMにも出演するなど、AKB48の人気アイドルとして抜群の知名度を誇っていました。

少し前の時代に活動していたアイドルたちは、20代前半の内に卒業・芸能界を引退することが普通の流れでした。しかし、時代が大きく変化した現代では、アイドルの活動範囲が幅広くなり、20代後半になっても第一線で活躍するアイドルも目立つようになりました。

しかし、それでもジャニーズのように永遠のアイドルで居続けることは難しく、30歳を超えても現役を貫く女性アイドルはおそらく存在していません。AKB48も例外ではなく、国民的な人気を獲得したアイドルであっても卒業し、メンバーの入れ替わりが行われ続けてきました。

AKB48の場合、多くのアイドルが卒業後も芸能活動を継続して行っています。しかし、そのほとんどがアイドル時代と同等の勢いを見せることができておらず、卒業と同時にファン離れが発生し「消えた」と言われてしまう元メンバーも決して少なくはありません。

女性ファンの獲得やお茶の間の支持を得ると、再ブレイクの可能性が残されています。また、アイドル時代と変わらずファンを大切にしている元メンバーも、ある程度の人気を維持しています。女優として成功した川栄李奈さん、朝ドラに出演し順調な渡辺麻友さん、そして女優業を行う一方でファンイベントも開催している松井玲奈さんなどが、成功している卒業生ではないでしょうか。

前田敦子さんは人気絶頂だった2012年8月に卒業しており、発表時は日本のみならず海外のファンにも衝撃を与えたほどでした。「ファンがショックのあまり切腹した！」とのデマも流れるほどの騒ぎにまで発展し、それほどまでに前田敦子さんの卒業はショッキングな出来事だったのです。

しかし、そんな前田敦子さんであっても、卒業後もアイドル時代と同等の勢いを維持することは決して簡単ではありませんでした。

AKB48を卒業後は、女優へと転向した前田敦子さん。同時にソロ歌手としてCDもリリースし、卒業後初のシングルとなった作品「タイムマシンなんていらない」は2013年9月18日にリリースされました。

秋元康さんが作詞を手掛け、全4種類もの形態を用意。さらにフジテレビ系列のテレビドラマ「山田くんと7人の魔女」のタイアップも決定するなど完璧な体制でリリースされたものの、オリコン最高位2位に留まり、週間ランキングで1位を獲得することはできませんでした。

「タイムマシンなんていらない」から半年後、4枚目となるソロシングル「セブンスコード」をリリース。こちらも複数の形態に加え、タイアップも決定。秋元康さんの作詞と前作と同等の完璧な条件がそろっていたものの、売上はオリコン4位と前作を下回る結果に。

2016年に発売されたファーストソロアルバム「Selfish」はオリコン8位とこちらも寂しい結果となり、これ以降、音楽の仕事は停滞気味となってしまいました。

音楽の仕事に関しては、明らかにアイドル時代よりも勢いが低下してしまった前田敦子さん。女優の仕事に関しては、アイドル時代から演技力が高く評価されるなど、決して才能がないわけではありませんでした。

しかし、やはりAKB48時代の勢いが凄まじかったため、当時と比較して勢いがないと評価されてしまったことも。女優の道に進んでしばらくの間は「元AKB48」のイメージを払拭することができなかったようです。

AKB48時代があまりに偉大過ぎたため、女優としての存在感を発揮することができなかった前田敦子さん。しかし、徐々に「元アイドル」から「女優」として評価される機会が増え、2017年辺りから映画の仕事が急増するほどの勢いを見せているのです。

映画作品で抜群の存在感を放っている前田敦子さんは、2019年に公開されたヒット作「マスカレードホテル」にも出演。元SMAPの木村拓哉さんが主演を務めており、伝説のアイドル同士の共演に胸が熱くなった人も少なくはありませんでした。

前田敦子さんは脇役としての出演でしたが、味がある演技力が評価され、木村拓哉さんと共に作品をヒットに導くことに成功しています。

脇役としてだけでなく、主演としても絶好調な前田敦子さん。2019年6月には主演映画「旅のおわり世界のはじまり」が公開されており、同年9月のコメディ映画「葬式の名人」でも主演を担当しています。

年々女優としての存在感が増しており、2020年以降も間違いなく女優としての仕事に恵まれるでしょう。