こういう性格も彼女を次第に追い詰めていったのかも知れませんね。

実は、「ねこぢる」が自ら命を絶つ約1週間前の1998年5月2日、「X JAPAN」のギタリストhideさんがこの世を去っています。

しかも、命を絶つためにとった方法が、ドアノブに掛けたタオルで首を吊るというhideさんと同じ方法であったことから、一部の間でhideさんの後追いでは？との報道も流されていたようです。

しかし、「ねこぢる」はhideさんが急死する前にも、自ら命を絶とうとした経験があって、その時に書かれた遺書も存在しており、そこには「生きていたことさえも忘れてほしい」「死んだ動機については一切話さないで欲しい」などと記されていたと言います。

その後、夫である山野一氏は、hideさんの名前こそ出さなかったものの、「ねこぢる」の死が彼の後追いではないかとの報道をキッパリと否定する次のコメントを発しています。

残された夫・山野一氏は、その後も「ねこぢるｙ」のペンネームで、「ねこぢる」様式で描いた作品を創作し続けました。

しかし、たとえ長年連れ添った夫とは言え、「ねこぢる」の頭の中から湧き出してくる着想を受け継ぐことは難しかったようで、読者からの評価はあまり芳しいものではなかったようです。

その後、「ねこぢる」の夫・山野一氏は、紆余曲折を経て2006年に再婚し、2年後の2008年には双子が誕生。現在は2人の女の子の父親となっています。

子供の誕生を機に総画活動を本格的に再開した山野一氏は、2013年には、「ねこぢるｙうどん」3巻以来、約11年ぶりとなる漫画単行本「おばけアパート前編」を発売しました。