映像ディレクターとして数多くのアーティストのMVを手掛けている監督で、これまでに、L’Arc〜en〜Ciel、ゆず、Axe × MAN WITH A MISSIONなどのMVの監督を務めています。

乃木坂46の「制服のマネキン」なども手掛けている、坂道グループではお馴染みの監督です。

2006年にヒップホップの聖地と呼ばれるニューヨークのアポロシアターで行われた全米放送のTVコンテスト「ShowTimeatthe APOLLO」に出場し、番組史上最高記録となる9大会連続優勝を果たしアメリカでプロダンサーとしてデビュー。

マドンナのワールドツアーに帯同し、日本公演の演出を手掛けるなど世界的なダンサー、振り付け師として活躍しています。

振り付けをするきっかけは、偶然スケジュールが空いていた事だったそうですが、今や欅坂46の世界観を表現するのに欠かせない存在となっています。

乃木坂46の衣装も担当していた尾内貴美香さんが、欅坂46の衣装も担当しました。

運営側も、乃木坂46とは明らかに違ったコンセプトを初めから持っていて、衣装に関しても乃木坂46のような「可愛く、清楚」ではなく、独自の「カッコ良く、スタイリッシュに」というオーダーで作成されています。

デビュー曲でありながら、監督から振り付け、衣装に至るまでドリームチームが結成されて完成したPVとなっています。

MVのロケ地は都内の渋谷がほとんどです。

印象的な工事現場のシーンは、大規模再開発中の東急東横線渋谷駅のホーム及び線路跡地で撮影されました。

実際の工事現場ということもあってなかなか撮影許可が下りませんでしたが、スタッフの熱意と、2日間工事を休止する期間が重なったことで撮影が実現しました。

小林由依さんが自転車で爆走している橋は、江東区の豊洲と有明を結ぶ「富士見橋」です。

「富士見橋」は3rdシングル「二人セゾン」でも使用されています。

実際の山手線渋谷駅のホームでダンスを踊ったのは菅井友香さん、守屋茜さん、志田愛佳さんの3人でした。

菅井友香さんはブログで、「人がいる中で踊るのは、変な目で見られて緊張しました」と語っています。

渋谷の大規模再開発に伴い整備された渋谷川。現在は渋谷ストリームから渋谷川沿いが遊歩道として整備されています。

撮影はメンバーが長靴を履いて川に降り行われました。

楽曲に参加したメンバー全員が一列に並ぶラストシーンは、渋谷区にある「さくら通り」で行われました。

「サイレント＝静かな」「マジョリティー＝少数派」そのまま訳せば、「静かな多数派」になります。

自主的な発信はしないが、全体として多数派に属する、という意味がありますが、政治の世界で度々都合よく使われていて、アメリカのニクソン大統領は1969年にスピーチで「反対意見の声が上がらないなら、つまり賛成している」といった意味で「サイレントマジョリティー」と表現しました。

対義語は「ノイジーマイノリティ」で「少数派だが強く発言する者」という意味です。

歌詞全体を通してみてもはっきりわかるのは、「社会やルールに縛られることなく、自分らしく進んでいいんだ」という強いメッセージです。

そのメッセージを表現するためにPVやダンスでは様々な工夫がされています。

また、曲のイメージを表現すると同時に、欅坂46のデビュー曲として、欅坂46の世界観や個性も伝わるような工夫もされています。

振り付けを担当したTAKAHIROさんは「システマティックに作られた社会を象徴するシーン」と「若者の力強さと勢いを表したシーン」の2つの情景が取り入れられていると語っています。

これまでのアイドルのイメージと言えば、かわいい衣装で元気に笑顔でダンスをするのが当たり前のイメージでした。

ですが、欅坂46の衣装はかっこよく、PVでも笑顔のシーンは出てきません。マジョリティーとマイノリティーの対比の構造になっています。

アイドルはこう！という既成概念に捕らわれないという既存のアイドルグループとの明確なコンセプトの違いをアピールすると共に、曲のイメージを表現することに繋がっています。

メンバー全員が同一の振り付けで踊る場面や、両手足を伸ばしながら操り人形のようにふら付く振り付けは無個性な社会を表現していて、その後の走り出すようなダンスとのギャップに繋がっています。